3式小型射撃照準器(ルーツと開発の経緯)

Revi16A
※ 昭和18年、日本陸軍はFw190A-5及びMe210A-2(Werk Nr.2350、戦闘爆撃機型)を入手した。
   このMe210A-2には、機首機関銃・砲用(MG151 20mm×2、MG17 7.92mm×2)の照準器としてRevi C/12Dがパイロット前方に、後部
 機関銃用(MG131 13mm×2)にRevi 16Aが後部座席に取付られていた。

注1: 後部遠隔管制砲塔用照準器については、ドイツ機での写真確認はできなかったが、ブルガリア空軍使用のMe210Ca-1にはRevi16A
    照準器が取付られていた。)

注2: ドイツの資料には、Me210・Me410の遠隔操作旋回銃の照準器の名称は、Revi16AまたはRevi25B照準器と記されている。
※ 左側写真はドイツ空軍のMe410の後部遠隔管制砲塔に使用された照準器と同型で、一見Revi16Aに見えるが、後部の形状が異なる。
※ Revi16Aと形状が異なるため、この照準器が「Revi25B」となる。

 Me210はRevi 16AMe410はRevi 25Bそれぞれ使用したものと考える。
※ 同時期、日本海軍は遠隔管制砲塔用(月光・電光等に使用予定)の照準器を200個入手し、空技廠光学部への数個の貸与以外は軍需
  部倉庫
に眠っていた。  (遠隔管制砲塔自体が未完成なため、その遠隔管制砲塔用照準器の出番はなかった。)
※  日本側の記録では、その照準器の名称はRevi25Bと記されている。


   Revi25B: シュタインハイル社製L字型光像式照準器、コリメータ・レンズ径45mm、視界15度

3式小型射撃照準器
※ 部隊側(小薗中佐)からの夜間用小型照準器要望を受けた空技廠はRevi25B照準器に着目した。
※ このRevi25Bを小改造(海軍用に目盛を修正、取付部の改造等)することにより、短期間で部隊側に渡せることが判った。
※ 当初は、空技廠でこのRevi25Bの改造作業を実施していたが、夜間戦闘機の増加(月光、極光、銀河等)に伴い、量産の必要性が生じ、
 以降は理研科学機械製造所小石川工場が担当・製作した。
空技廠で改造したRevi25Bは横空隊の月光に取り付けた。)
※ このRevi25Bを改造したものを3式小型射撃照準器とし制式採用した。
※ 従って3式小型射撃照準器の製造数は200個を越えることはない。